杞憂の次

ゲームの感想とか書く

もうすぐ終わってしまう君へ

この記事は今年プレイしたゲーム Advent Calendar」19日目の記事です。

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Vampire Killer

がんばれゴエモン ~ビーストメドレー~」

「Twinbee's Home Town Song」

 

これはとあるゲームに収録されている楽曲の一部である。悪魔城ドラキュラがんばれゴエモンツインビー……どれも、コナミの誇る往年の名作ゲームだ。

こんな楽曲を収録するゲーム、一体何のゲームだと思うだろうか。ギタドラみたいな音楽ゲーム? それともコナミワイワイワールドみたいな多作品出演のお祭りゲーム? そのどちらでもない。

 

このゲームはアイドルゲームだ。それも、かの名作シリーズのタイトルを冠した。

 

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ときめきアイドル

 

2018年3月20日に運営を開始した、コナミの誇るアイドル育成ゲームだ。

……そして、このゲームは既に、2019年1月でのサービス終了が告知されている。

 

ぼくがこのゲームと出会ったのは、3月20日――つまり、サービス開始時だ。

 

「起動時にバブルシステムが流れる」※バブルシステムという昔の基盤を起動するときに流れるやつだ

「ホーム画面でアイドルたちがグラディウスをプレイし始める」

「将来の夢が『グラディウスの続編を作ってもらう』のアイドルがいる」

 

実際気が狂っていると思った。いや、このアイドルゲーム群雄割拠の時代に個性を持つのは大事だと思うけど個性の出し方があんまりじゃないか? まあ自社のIPを有効活用していく姿勢は嫌いじゃない。桃鉄の新作はまだです? 一応ポップンやらノスタルジアやらミライダガッキやらでコナミに貯金している身としてはプレイしてみないとな……と思った次第だ。まあ公式サイトで見た立川美翠ちゃんに惹かれたというのもある。立川美翠ちゃん、双子の姉を持つしっかりものの中学3年生だ。

 

で、始めた……という訳でもない。ぼくのおんぼろスマホがアプリに対応していなかったため始められなかったのだ。

ぼく、スマホの購入を決意する。

ちょうど画面がバキバキだったり古くなっていたりで変えようかな……とは思っていたが、結構な一押しにはなった。

 

4月4日、ぼくのスマホの購入日にしてときめきアイドルを始めた日である。

 

ちょうど猫のイベントだっただろうか。イベント終了間近でほとんど遊べていないが。ギリギリのすべりこみで立川姉妹二人分と何人かの報酬だけ獲得した覚えがある。

 

このゲーム、イベント報酬で服装やポースが配られることが多い。所謂キャラクターの着せ替え要素である。アイドルを着せ替えると、アイドルがその服を着てライブをするところが見られたり、ホーム画面でその服を着てくれたりするのだ。

 

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写真撮影もできる。ポーズを使うのはこの時だ。

 

始めて数日、ぼくはこのゲームがクセになっていた。起動ごとに流れるモーニングミュージック、服の名前のネタといった昔のコナミネタだけなら「手のこんだ一発ネタ」として、しばらくで飽きていただろう。しかし、このゲームはそれだけではないのだ。

まず、作り込みが丁寧だ。起動の待ち時間を飽きさせないために、キャラクターの掛け合いを表示してくれる(もちろん、BGMはモーニングミュージックだ)。ホーム画面のキャラクターは日常生活を楽しんでいて、タップすると反応してくれる。ネコ先輩(アイドルたちの暮らす寮で飼っているネコだ)の目線からアイドルを見ることもできる。ホーム画面でナビゲータとして一人アイドルを設定できるのだが、ちゃんと(ちゃんと?)アイドルにタッチできる。なんとVRにも対応しているので強い(試したことはない)。

そして曲がいい。とあるゲームのようにソロバージョンが指定できたりする訳ではないが、一曲一曲に魅力がある。音ゲーパートも、まあプレイ初期は難しい譜面こそなかったが、しっかりプレイして楽しい感じに作ってあるのだ。後ろで動くアイドルたちももちろんかわいい。

15人全員で行うライブや、直近の高スコアプレイを真似して勝手にプレイしてくれる機能なんかもある。

さらにストーリーもいい。数曲ごとに発生するコミュ、アイドルの好感度ごとに発生するメンバーストーリー、そしてアイドルのユニットごとに発生するガールズストーリー(これはプレイヤーレベル達成で解禁される)があるが、まあそれぞれ面白い。コミュは一緒に下校したり呼び名を変えてみるか迷ったりクイズを出されたり……クイズ? なんで? メンバーストーリーやガールズストーリーは親愛度やレベル依存のためそこまで頻繁に出会うことはないが、しっかりストーリーがある。

ぼくは立川朱音ちゃんのメンバーストーリー第六話が好き。

 

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ああ、これが立川朱音ちゃん。しっかりした妹とは違ってすちゃらか(原文ママ)な双子の姉だ。天才タイプのアイドルで、苦手なものは努力だと語る。ただ、レッスンの時はきちんと取り組むし、グデるための努力はちゃんとする。ただ、自分が努力している姿を他の人に見られるのがイヤだ……というなんともかわいい子なのだ。趣味はスマホゲームと麻雀。コミュではプロデューサー(プレイヤー)と麻雀で遊ぶ姿も見かけられる。

 

見てるだけでかわいいんだよなぁ?

しっかり者の妹とものぐさな姉って、いい。ちゃんと仲良くて、いい。

朱音は「自慢の妹!」なんて言うし、美翠は「ちゃんと掃除してるかな…」なんて言ってる。すごくいい。

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いい。

 

メンバーストーリーはまだ全員最後の一話が未実装。その名前は「Forever with you」。……ときメモじゃねぇかって突っ込んだけどそういえば「ときめき」アイドルなんだよなぁ……

 

さっきも言ったが、曲がいいのだ。音ゲーマーならみんな大好きL.E.D.の楽曲だって入っている。ハードコアではないです

Sota Fujimoriの楽曲もある。

ぼくは「冒険デイズ」と「カン違いSummer Days (青山つばさver.)」が好き。まあ後者はCD限定なんだけどね!

 

ゲーム内ではイベントもあったが……イベントのことは語らないでおこう。まあ、なんというか、余りに普通というか、虚無と言うか……まあ、さっして……。

 

まあ、そんな感じでぼくは楽しんでいたし、立川姉妹と伊澄いずみちゃん(これを考えた人間は徹夜続きで頭が変になっていたんだろうか)をトップアイドルにしようと日々絆を深めていたわけだ。

 

そして、ゲーム終了のお知らせが入る。

 

一体何がダメだったのか。確かにイベントを見る限りプレイ人数は他の「売れている」アイドルゲームと比べて芳しくなかった。プロモーションが下手だったのか? 昔のゲームネタが濃すぎて知らないプレイヤーには魅力的に見えなかったのか? 「丁寧」が余りに丁寧で逆に普通にしかならなかったのか? ぼくは「プレイしている」側なので、プレイしていないユーザーが何故プレイしていなかったのかは想像し難い。まあ、プレイしている側のぼくとしても不満はあった。

 

「文章がもっと欲しかった」。ストーリーである。コミュやストーリーがあるというのは上で書いた。イベントごとにも一応ストーリーはあった。しかし、15人という最近のアイドルゲームとしては少なめの人数である。もっとストーリーは増やせなかっただろうか? おそらく、プレイしている誰もがきちんとやれば必ず読める、というのを想定していたのだろう。イベントストーリーはイベントポイントを稼げば読めるし、ガールズストーリー・メンバーストーリーもプレイヤーのレベル上げ・アイドルの好感度上げをすればいつかは読めた。しかし、それだけでは何だかぼくにとって薄かったのだ。

大体のゲームでよくある「カードにストーリーを付ける」方式を取り入れても良かったんじゃないかとは思う。もうちょっとメンバーストーリーの話数を増やしても、もうちょっとガールズストーリーを増やしてくれても……まあ、サービス終了が予告された以上、ここから追加されるのはいくつかのイベントストーリーと「Forever with you」くらいである。高望みはしない。

 

そもそもオフラインアプデートしてくれるだけでも恵まれている気がする。何だかんだ言って、結局ぼくはこれまでおよそ9ヶ月プレイしてきたし、多分1月以降のオフラインアップデート後もアイドルたちとの「Forever with you」を求め、そして見てからもアンインストールしないでたまに起動し、何曲かプレイしてアイドルのコミュを見て……というのを続けるだろう。ポップンでたまに恋のパズルマジックなんかを選曲してしばしばエモい気持ちになったりもするのだろう。

 

まあ、そんな感じだ。

 

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もうちょい欲を言えば恋愛観測カバーとか欲しかった感はある。